世界初の64ビットのA7プロセッサがデュアルコアでも高性能な理由

A7チップは世界初の64bitモバイルプロセッサ

Appleが2013年9月に発売をしたiPhone 5sには世界初の64bitモバイルプロセッサ「A7チップ」を搭載したことで話題となりました。他社メーカーでは32bitでマルチコア化を拡大する流れでしたが、A7プロセッサが発表された途端に他社メーカーも64bitのモバイルプロセッサの計画を前倒しする流れへと変化しました。

その理由は、64bit化による高性能化が期待できるからです。当時のスマートフォンに搭載されているプロセッサのベンチマークが公開されています。A7チップ以外は全て32ビットプロセッサとなっています。

  • iPhone 5s:A7 1.3Ghz 64bitデュアルコア (iOS)
  • iPhone 5:A6 1.2Ghz デュアルコア (iOS)
  • LG G2:Snapdragon 800(MSM8974)2.3Ghz クアッドコア (Android)
  • GALAXY S4:Snapdragon 600(APQ8064T) 1.9Ghz クアッドコア (Android)

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結果としては、64ビットデュアルコアを採用したAppleのA7チップが一番性能が高いことがわかります。クアルコムのSnapdragon 800はクアッドコアで2.3GHzという高クロックでありながら1.3GHzのデュアルコアのA7チップの性能に及ばない結果となっています。

A7チップがデュアルコアでも高性能な理由

64ビット化のメリットとしては扱えるメモリ量が4GB以上のものが使用することができることが知られています。しかし、スマートフォンで4GBのRAMを必要となる場合はほとんどありません。実際にAndroidスマホの標準的なメインRAMの容量は2GBとなっており(一部ハイエンドモデルで4GBも登場してきています)、iPhone 5sに関しては64bitプロセッサを採用しているにも関わらず1GBのRAM容量を採用しています。

つまり、大きなRAMを搭載できることはたいしたメリットではないのです。

実は32bitのARMアーキテクチャはAcornの教育用コンピュータ向けに設計された一般的なRISCプロセッサに比べると複雑な構造となっています。そこで、ARMは64bit化をするにあたって、古い設計を捨ててゼロから新しく設計し直した完全に新しい設計に生まれ変え単なる64bit化ではなく命令セットを全て見直すことで高速化に成功しているのです。

このことから、古い設計で開発された32bitのクアッドコアのプロセッサーでコア数が多く高クロックであっても、新しく設計し直した64bitのデュアルコアの性能には敵わないということになるのです。

Appleはさらなる高性能化を実現したA8チップをiPhone 6に搭載する見込みとなっています。

関連記事:iPhone 6に搭載されるA8プロセッサは64bitのデュアルコア2.0GHzのクロック数に?

PCMag

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